子どもはほめられると自信がついてがんばる力がわいてきます。
また、心が満たされて兄弟や友達にも優しくなれます。
ほめてくれる親への信頼の気持ちも育ちます。
つまり、子どもを伸ばすにはほめるのが一番なのです。
でも、それはわかっているけどいざとなるとほめることが見つからない、というひとが多いようです。
そういうひとにお薦めしたいのが部分に注目してほめる方法です。
たとえば、子どもの絵を見てあまり感心しなかったときも、部分に注目すれば「海の色がとてもきれいだね」「馬が今にも動き出しそうに迫力があるね」とほめられます。
また、子どもの書き取り帳を見て小言を言いたくなったときも、それは抑えてまず部分をほめます。
「この『空』という字、上手だね。この字もいいね」とほめながら一つ一つ花丸をつけてあげるのです。
どうしても直させたい字があるときは、十分ほめたあとで「じゃあ、これだけ直そう」と言えば喜んで直してくれます。
これを毎日やれば「しっかり書きなさい」と言わなくてもしっかり書くようになります。
何事も全体をぼんやり見ているとほめるところは見つかりません。
部分に注目して、意識的にほめるネタを見つけ出すことが大切です。
小言を言いたいときもそれは抑えて、まずほめるところから入ってください。
すると、物事がうまく回り始めて小言が要らなくなることが多いのです。
しばらくほめることに徹していると、やがてその効果を実感できるようになります。
これらのことは夫婦や会社の人間関係でも、そして自分自身にも応用できます。
ぜひ、ほめ上手になって周りの人も自分も幸せにしてあげてください。
(本原稿は、共同通信の配信記事として2012年頃に各地の地方紙に掲載されたものです)