9歳までで決まる! 算数が得意な子になる本

永岡書店:単行本:176ページ、発売:2012年2月17日

●「うちの子は算数ができない」「いくら教えても算数ができるようにならない」。
こういう悩みを抱く親は、本当にたくさんいます。

私が小学校の教師をしていたときも、クラスの子どもの親たちから幾度となくこの
ような悩みを打ち明けられたものです。

なぜ、数ある教科のなかで算数に関する悩みが突出しているのでしょうか。

いくつか理由がありますが、1つには算数は「できる・できない」「分かる・分から
ない」がはっきりしているということがあると思います。
はっきりしているからこそ、できる方に入りたいと強く思うわけです。

算数が積み上げ型の教科だということも大きいようです。
算数は、あることを学んだらその土台の上に別のことを積み上げていきます。

どこかでつまずくと次の勉強が理解できなくなってしまいます。
ですから、親としては何とかし勉強についていけるようにしてあげたいと強く願うの
です。

●算数について強い思いを持った親の多くは、「勉強しなさい」「こんな問題がどうし
てできないの!」と強い言葉で子どもに迫ります。

しかし、親がいくらムキになって言っても、そんなに簡単にできるようになるわけ
がないのです。

逆に、暴言ともいえる言葉を浴びせられた子どもは、余計に委縮してしまいます。

よけい自信がなくなり、算数がますます嫌いになり、場合によっては勉強全部が嫌
いになってしまうかも知れません。

さらには、親に対する気持ちも冷え切ってしまうかも知れません。

●では、どうしたら算数ができようになるのでしょうか?
それには親の“方法の工夫”が大事になってきます。

子どもが楽しく算数に親しめるように、親がその方法を工夫してあげることが大切
なのです。

その1つが、生活や遊びの中で楽しみながら鍛えていき、だんだんと算数の能力を
つけていくという方法です。

私はこれを“楽勉”と呼んでいます。

「勉強とは机に向かって問題を解くこと」というように狭い範囲で捉えてしまうと、
子どもは苦しいですし、なかなかやることはできません。

楽勉であれば、子どもは楽しく学んでいくことができます。

その結果、算数が分かるようになり、自分で勉強しようという気持ちも自然に芽生
えてきます。

この楽勉の具体的な内容は1章で詳しく紹介しています。

●しかし、算数は、楽勉だけではカバーしきれないところもあります。

繰り上がり足し算や繰り下がり引き算、九九の暗記、あるいは文章問題などは、や
はりドリルによる反復練習が必要です。

また、テストでミスをしないように、普段からテスト対策をすることも大切です。
そのときも“親の工夫”が大事です。

例えば、タイムを計ってゲーム性を出したり、取りかかりのハードルを下げたり、
100点のテストをファイルにまとめたりなどです。

これについては、本書の2章、3章で詳しく紹介していきますので、参考にしてくだ
さい。

●家庭で取り組むことによるメリットはほかにもあります。

学校の授業では、算数について、一つの単元を教えるのに十分な時間が取れないと
いう現状があります。

私の教員時代を振り返っても、必要最低限のことを教えたら次の単元に進まなけれ
ばならないことがよくありました。

また、例えば「かさの勉強」などでは、いろいろな容器を使って実際に水のかさを
量ってみるといった実体験が大切なのですが、学校の授業では時間も場所も限られ
ていて十分な時間を取ることができません。

本当は、たっぷり体験すれば理解度が上がることはわかりきっているのです。
でも、現実問題としてそれは不可能なのです。

もしそこに時間をたくさんかければ、ほかの勉強の時間が少なくなってしまいます。
これらの現状をカバーする上でも、家庭での取り組みが大切になってくるのです。

●本書では、親が家庭でできることを具体的にたくさん紹介していきます。
しかも、対象を9歳ころまでに絞ってあります。

というのも、この頃までの親のサポートが子どもの算数力に大きな影響を与えるから
です。

9歳ころまでに算数が好きになって算数の基本的な能力がついていれば、その後も
苦労しなくてすむのです。

ぜひ、本書を活用して子どもを算数好きにしてあげてください。
「算数って楽しい!」と言えるようにしてあげてください。