「共感力」で決まる! –「しつけ優先」から「許す」子育てへの発想転換

出版社:講談社、単行本:226ページ、発売:2009年2月27日

●親の悩みの多くは、「親の願い」が原因になっていることが多いようです。

つまり、「こういう子にしたい」「○○ができるようにしなければ」「○○ができないのを、子どものうちに直さなければ」「しっかりしつけなければ」などの「親の願い」です。

これらは、もちろん子どもを思う愛情から出ているのです。
でも、こういう気持ちが強いと、または強すぎると、結局は親子で苦しむことになってしまいます。

というのも、現実の子どもは親が願う姿と比べて遙か遠いところにいるからです。
もともと、親は子どもにないものばかりを願いますので、いつでもこういうことになるのです。

それで、そのギャップをどう埋めるかということになるのですが、多くの親は、叱ることに頼ります。

「願い」という思い込みが強い親ほど、そうなります。
子どもの中には、日常的に本当によく叱られる子もいます。

●でも、叱ることには大きな弊害が2つあります。

1つには、日常的によく叱られる子は、自分に自信がなくなります。
いつも「ダメじゃない」とか「なぜできないの?」などと言われ続けていれば、当然そうなります。

そして、2つ目として、叱る相手に対して不信感を持つようになります。
だんだん、「自分はよく思われていないようだ」「もしかしたら、好かれていないのかも」などと思うようになってしまうのです。

少なくとも、受け入れてもらえていないことは確かです。
そして、許してもらえていないことも、わかってもらえていないことも確かです。
親が「子どものため」と思いつつしていることが、正反対の結果を招いているのです。

●私は、このような例をたくさん見てきて、ある結論に達しました。

それは、子どもにこうなって欲しいという「親の願い」を優先するのではなく、子どものありのままの実状や気持ちを理解し、受け入れ、共感してやることがとても大切だということです。

つまり、共感力です。

それによって、子どもは、「自分は受け入れてもらえている」「許してもらえている」「わかってもらえている」「自分はいていいんだ」という確信を持つことができます。

それで、初めて、子どもは自分の存在を肯定できるようになります。
つまり、「自己肯定感」を持てるのです。

同時に、親に愛されているという実感を持てるようになります。
つまり、「親の愛情の実感」を持てるのです。

●この「自己肯定感」と「親の愛情の実感」こそ、人間が健やかに成長していくための土台です。

この2つの土台がしっかりしていれば、子どもは将来にわたって健やかに生きていくことができるのです。

この2つの土台さえしっかりしていれば、子どものころ苦手なことやできないことがあっても、大したことではありません。

成長していく過程でできるようになることもありますし、ほかの長所が伸びれば、たいていの場合、苦手なところなど目立たなくなるものなのです。

共感力のある親なら、子どもは「自己肯定感」と「親の愛情の実感」という2つの土台をしっかりつくることができます。

子どもを育てる上で、共感力ほど大事なものはないのです。

●この本では、上記のことを基本に据えながら、いろいろな子育ての悩みに回答しています。

◎やるべきことを後まわし・・・このままで大丈夫?
◎引っ込み思案な子どもの性格、直したほうがいいの?

◎子どもにイラつき、カッとなる性格をなんとかしたい!
◎友達とゲームばかり、友人関係が築けるか心配

◎宿題や片づけなど、もっとやる気を出させたい!
◎子どものマイナス思考にはどう対応したら?

◎兄弟げんかせずに絆を深めさせたい
◎泣かずに自分の気持ちを伝えるようになるには?

◎負けず嫌いの度が過ぎる子には・・・
◎あまり友達と遊ばなくなったけれど大丈夫?

◎なかなかプラス思考で子育てができないときは
◎夫にも家事や子育てに協力してもらいたい!

◎家で荒れる子どもへの対処法
◎子どもが自閉症とADHDに、親はどうすれば?

◎中学受験させたいが、子どもにやる気がない

この本が子育てで悩んでいる人たちに届きますようにと、私は心から願っています。
みなさん!今背負っている肩の荷を下ろして、子育てを大いに楽しんでください。