子どもができないことはやってあげればいい。
「やってあげると自立できない」は罪深い迷信

●安らかな気持ちで過ごせるとひとにも優しくなれる

子どもにとって家庭は子宮の延長のようなものです。
子宮はまったく快適で心地よいものだそうです。
そこで毎日安らかな気持ちで穏やかに過ごすことができる子は幸せです。
そういう子は、ひとに対しても優しい気持ちになることができます。

あなたのお子さんは、家にいるとき安らぎを感じているでしょうか?
それとも、緊張してストレスをためこんでいますか?

●「子どものうちならなおる」は迷信

細かいしつけにこだわって叱ってばかりいるとよくありません。
子どものときにできなくても、大人になればできるようになるから大丈夫です。
親たちはみんな、「大人になってからではなおらない。子どものうちならなおる」と思い込んでいますが、実はこれはまったく根拠のない迷信です。

ウソであり、作り話であり、大人たちの集団的勘違いです。
しかも、実に罪深い迷信です。
この迷信のおかげで、古今東西どれだけの親と子どもが苦しめられてきたかわかりません。

●「大人になってからのほうがなおりやすい」が真実

実は、「子どものうちにはなおらない。かえって大人になってからの方がなおりやすい」というのが真実です。
もちろん、大人でも簡単なことではありませんが、子どもよりもはるかに可能性が高いのです。

「なおす」というのは、生まれ持った自分の性格をかえるということです。
つまり、自己改造です。
これには、「本当になおしたい。絶対なおさなければ」という強烈な内面的モチベーションが必要です。

そのモチベーションはどんなときに持てるのでしょうか?
1つには、何か大きな失敗をして「このままでは自分の人生まずい!」と思ったときです。
もう1つは、自分の人生でやりたいことが見つかって真剣に取り組み始めたときです。
それを実現するには自己改造が必要になるのです。

●子どもは自己改造のモチベーションを持つことができない

いずれにしても、自分の人生、生き方、将来などを真剣に考えるようになってからの話です。
つまり、大人になってからです。
早くても思春期以降です。

子どものときには、こういうモチベーションを持つことができません。
だから、なおらないのです。
でも、だからこそ子どもであり、だからこそかわいいのです。

●今日の一日を親子で大いに楽しもう

これが真実です。
真実を受け入れてください。
今なおさなくても、いずれ子どもが自分でその気になったときに、少しはなおります。
ですから、今なおすのはあきらめてください。

わが子が一番かわいらしい子どものときを、つまらないことで叱って過ごすのはやめましょう。
今日の一日、親子ともに過ごせる「いま・ここ」を大いに楽しみ、かみしめるように味わいながら生きていきましょう。

●児童心理学者たちも「上手にやってあげたほうが、子どももできるようになる」と言っている

子どもがどうしてもできないことは、手伝ったりやってあげたりしてください。
そうすれば、ガミガミ叱らなくてすみます。
そう言うと、「手伝ったりやってあげたりするといつまでも自立できないのでは?」と心配になる人も多いと思いますが、これもまた根拠のない迷信です。

たしかに20年くらい前までは、そういうことを言う児童心理学者もいました。
でも、今はそういうことを言う児童心理学者はいません。
今、児童心理学者たちは次のように言っています。

できないことを叱っていると、子どもは自信がなくなってますますできなくなります。
それよりも、上手にやってあげたほうが、子どももできるようになります。
上手にやってあげるというのは、いちいち叱ったり文句を言ったりしないで、明るい雰囲気でやってあげるということです。

もちろん、子どもがやる気があって、時間的な余裕もあるときは待ってあげてください。
そういう時もやってしまっていては、もちろん自立の妨げになります。
でも、そうでないときはやってあげてください。

前の記事 | 目次 | 次の記事