親のひどい言葉はシロアリのように子を蝕む(前回の続き)

●自分も気がつかないうちに無意識のうちに傷ついている

前回、次のように書きました。

「存在否定や人格否定の言葉だけでなく、物事について否定的に叱る言葉も、結局は子どもを深く傷つけることになる」

これを読んで、「うちの子は打たれ強いから平気。いくら叱ってもへらへらしているばかりで、全然こたえてない。今日も叱ったけどニヤニヤしていた」などと考える人もいるかも知れません。

でも、それは、子ども自身、自分が傷ついていることに気がついていないということなのです。
自分自身が気がつかないうちに、無意識のうちに傷ついているのです。
無意識だからこそトラウマになるのです。

●シロアリのように蝕む

「自分はいつも否定的に叱られているから、それで自分に自信を持てなくなってきているようだ」などと、子どもが気がつきますか?
「叱られてばかりなので、それで自己肯定感がなくなってきた。親に対する愛情不足も感じている」などと、気がつきますか?

そんなことに気がつく子どもなどいるはずがありません。
でも、気がつかないところで、確実にダメージを受けているのです。
それは人が気がつかないうちに家屋に巣くうシロアリのようなものです。

誰も自分の家がシロアリに蝕まれているなんて気がつきません。
シロアリは目に見えない奥深いところで静かに蝕んでいきます。
実際にシロアリの姿を目にしたときには、被害は既にかなり進行しているのです。

●ひどい言葉の弊害はすぐには目に見えない

こういうひどい言葉の弊害は、すぐには目に見えません。
例えば、ガラスのコップを放り投げればすぐに割れてしまいます。
結果がすぐ目に見えるので、誰もそんなことはしません。

でも、言葉による弊害はすぐに結果が目に見えません。
ですから、平気でひどい言葉をぶつけ続けてしまうのです。
でも、その結果は必ずやってきます。

●種を蒔いてもすぐには何も起きない

それは種を蒔くのと同じです。
種を蒔いてもすぐには何も起きません。
時期が来て種が芽を出し、双葉が出て本葉が出て、茎が伸び葉が茂って、やがて生い茂るようになります。

そのとき、初めて、「一体いつどこからこの草はやってきたのか?」となります。
いくら考えてもわかりません。
でも、それはやはり自分が蒔いた種なのです。
自分が蒔いた種は自分で刈り取ることになります。

●表面はにこにこしていても、その内面では…

なんといっても、子どもにとって親は親です。
どんな親であっても子どもにとっては掛け替えのない存在であり、親に見捨てられたら子どもは生きていけません。
親にかわいがられなくては生きていけないのです。

だから、親がひどい言葉をぶつけても、子どもは多少のことは水に流してにこにこしながら寄ってきてくれるのです。
でも、その内面の深いところではダメージを蓄え続けているのです。

前の記事 | 目次 | 次の記事