子どもを人前で叱ると「見せしめ効果」がある?
上手な子どもの叱り方とは??

●子どもを人前で叱る先生

過日私が講演に行ったある幼稚園で見たのですが、ある先生が年長児とおぼしき子どもを叱っていました。
何を叱っていたのかよくわかりませんでしたが、よくないと思ったのは他の子どもたちの前で大声で叱っていたことです。

子どもはかろうじて立ってはいましたが、上半身を前に深くかがめて今にも倒れ込みそうな様子でした。
先生の話に心を開いているようには到底見えませんでした。

●人前で叱られると自尊心が傷つく

大声で叱るのもよくないですが、他の子がいるところで子どもを叱るのは、本当によくないです。
人前で叱られると、子どもの自尊心が非常に傷つきます。

小さな子どもでも、恥ずかしく感じる気持ちは十分にありますし、こういう状態では恥ずかしさで頭がいっぱいになってしまうものです。
すると、なぜ叱られているのかとか、これから何をどう改めるべきなのかなどを考えるところまで頭が回りません。

●他の子のいないところで、静かな落ち着いた声で

これは家庭においても言えることです。
親はつい他の兄弟のいるところで叱ってしまいますが、これはよくないですね。
他の兄弟にも聞かれているということだけで、子どもは素直になれません。
他の子のいないところで、目の高さを合わせて、静かな落ち着いた声で話すことが大事です。

また、親が一方的に言いたいことを言うのではなく、子どもの言い分も共感的に聞きながら進めてください。
そして、ときには問答によって子どもにも考えさせながら、子どもが納得するように上手に教えてあげてください。
子ども自身が、「本当にそうだなあ。これからは気をつけよう」と思えるようにしないと、意味がありません。

●人前で叱られると恨みが残る

親や先生が他の子どもの前で叱るのは、「見せしめ効果」をねらっているからです。
1人の子どもを叱ることで、他の子どもにもわからせようというねらいがあるのです。

でも、そもそも、見せしめにされた子ども、つまり一番肝心な叱られている子どもの心に届いていません。
ですから、その子の成長に結びつかないのです。

さらに、たびたびこういうことがあると、子どもは親を恨むようになります。
兄弟関係にも悪影響が出ます。
これは大人の例で考えればすぐわかることです。

例えば、職場において、上司が部下を人前で叱ったとします。
一度でもこういうことがあれば、人前で恥ずかしい思いをさせられた部下は上司を恨むでしょう。
素直に反省するどころの話ではありません。

こういう上司の下では、職場の人間関係も悪くなります。
お互いがオープンな気持ちで付き合うことはできなくなり、心を許せない人間関係が支配するようになります。

●「これは大人同士でもできることだろうか?」が基準になる

こういう心理は大人でも子どもでも同じなのです。
ですから、子育て中の親は、常に、「これは大人同士でもできることだろうか?」と考える習慣をつけるとよいと思います。

大人同士でやってはいけないことは、子ども相手にもやってはいけないのです。
「これは大人同士でもできることだろうか?」を判断の基準にしてください。

前の記事 | 目次 | 次の記事