忘れ物が多いとどうなるか?

●子どもの忘れ物で悩む2年生の先生

つい先日、ある知り合いの先生とスーパーでばったり会って、立ち話をしました。
その先生は今2年生を受け持っているのですが、子どもたちの忘れ物が非常に多くて困っているそうです。

第3回の『「2年生だから」を最優先にすると苦しくなる』でも書きましたが、1年生のときに比べて、2年生は忘れ物がぐんと増えるという事実があります。
http://mamanote.jp/news.html?id=693

その忘れ物について、親の中にはこう考える人がけっこういます。
「忘れ物をすれば自分が困るだろう。自分が困れば、それに懲りて直すだろう」

これを私は自業自得方式と呼んでいますが、実際にはこれで忘れ物が減るということはありません。
私はこれで直った子を見たことがありません。
もし本当にそれで直るなら、忘れ物をする小学生はすぐにいなくなるはずですよね。

●自業自得方式で忘れ物が減ることはあり得ない

実際には、忘れ物の多い子を自業自得方式で放っておくと、ますます忘れ物をするようになります。
すると、ますます先生に叱られることが増えます。
友達にも何かしら言われます。

「え、また、線引き忘れたの? ちょっとだらしないんじゃない? 今回は貸してあげるけどさ、この次はもう貸してあげないからね。もっとしっかりしなきゃダメじゃん」
これくらいのことは言われるでしょう。
すると、子どもの自己肯定感はボロボロになってしまいます。

●忘れ物をすると授業に集中できない

また、授業で使う物を忘れると、子どもの授業への集中度は一気に下がります。

「しまった、線引きを忘れちゃった。おかしいな、入れたはずなのに。どうしよう?友達に借りて済ませようか?それとも先生に言った方がいいかな?言うと怒られるかな?どうしよう?」などと考えている間に授業はどんどん進みます。

その間、先生の話などぜんぜん耳に入りません。
ハッと気がついときには、授業で何をやってるのかわからない状態です。
ですから、忘れ物が多いと学力も落ちます。
どう考えても、学力が上がるなどということはあり得ません。

●子どもも自業自得方式を身につけてしまう

また、親が自業自得方式で育てていると、子どもはその方式そのものを身につけてしまいます。
一番身近な親の考え方や生き方というものは、ジワジワと染み込むように伝わるのですね。
まさに、子どもという存在は、「親の言うことは聞かないけど、やっていることは真似する」と言われる通りなのです。

つまり、子どもは自分の友達に対して自業自得方式を応用するようになります。
たとえば、友達が何か忘れ物をしたとします。
「え、お前、線引きを忘れたの?だらしがないなあ。ちょっと困って懲りたほうがいいよ。そうすれば気をつけるようになるだろう。お前のためにも貸してあげないよ。貸すとお前のためにならないから」

こういうことで、つめたい対応になってしまうのです。

前の記事 | 目次 | 次の記事