忘れ物が多い子はどうしたらいいの?(前回の続き)

●大切なのは親のサポート

前回までに、忘れ物の多い子を放っておくと次の4つ弊害があると書きました。
では、忘れ物を減らすにはどうしたらいいのでしょうか?

大切なのは親のサポートです。
まずは、オーソドックスなやり方ですが、一緒に次の日の支度をしてやり方を教えるという段階が必要です。

2番目が、親が見守りながら支度をさせる段階です。
3番目が、子どもに自分でやらせて、それから親が確認をしてあげる段階です。
○年生だからできて当たり前と考えずに、その子の状態に応じてサポートしてあげてください。

●過不足のないサポート

ただし、親がやり過ぎても過保護になるのでよくありません。
つまり、過不足のないちょうどいいサポートが大切なのです。
この辺りの匙加減は自転車の練習と同じです。

自転車の練習では、最初は補助輪を2つつけます。
それで乗れるようになったら補助輪を1つにします。
それでも乗れるようになったら補助輪を0にします。
でも、補助輪1つにするには速すぎたという場合はもう一度補助輪を2つにします。

いつまでも補助輪を2つつけていては乗れるようになりません。
かといって、一気に減らしすぎてもこわがってしまいます。
万事、このように、相手の状態をよく観察して過不足のないちょうどいいサポートをしてあげることが大切です。

次の日の支度にしても、一度3番目の段階までできるようになっても、また戻ってしまうこともあると思います。
そのときの気分や調子にも寄りますので、行ったり来たりでもいいと考えてあげてください。
気長に付き合ってあげてください。

そして、どの段階にしても、忘れ物がないかの最終確認だけは親がしてあげた方がよいと思います。
また、自転車の練習も次の日の支度もそうですが、叱りながらでなくほめながらやるようにしてください。

●「できるようにしよう」と思い過ぎずに、気長に付き合う

このようにしながら、気長に付き合ってあげてください。
気長に付き合うためには、「早く自分1人ででできるようにしよう」と思い過ぎないことが大切です。
なぜなら、子どもはなかなか変わらないからです。
子どもはそんなに簡単に変わりませんよ。

子どもは自分が苦手なことを直すのが苦手なのです。
子どものうちなら苦手なことも直るというのは、まったく根拠のないデマであり、ウソなのです。

これは、大人たちが深く考えもせず、ただ漠然と思ってきた単なる思い込みに過ぎません。
つまり集団的な勘違いです。
実際は、子どもは自分を変えること、つまり自己改造が非常に苦手です。

子どもには、自分を変えたいという強烈なモチベーションもないし、意志力も根気も能力もないからです。

●大人になってからの方が可能性がある

たとえば、本当に忘れ物をしなくなるためには、次のような高度な能力がすべて必要です。

整理整頓の能力:
必要でない物を捨て必要なものはとっておく能力、しかも整頓してとっておく能力

段取り力:
先を見通して、必要な準備をする能力

自己管理力:
気分が乗らなくてイヤでも、やるべきことをきちんとやれる能力

こういう能力がそんなに簡単に身につくはずがないじゃありませんか。
子どものときよりも、かえって大人になってからの方が、できるようになる可能性は高いのです。

●苦手なことには目をつむって、延ばせるところを伸ばす

ですから、子どものうちに直そうなどと思わなくていいです。
苦手なことには、気長に付き合ってあげればそれでいいのです。
サポートしてあげたり、それでも無理なら手伝ってあげたり、やってあげたりしていいのです。
とにかく、毎日つつがなく安らかに生活できるようにしてあげてください。

苦手なことをいつまでつついていても、よい芽は出ません。
そんなところは、もう目をつむってあげましょう。
そのかわり、その子が好きなことや得意なことを大いにほめて伸ばしてあげてください。

ここが大事なポイントです。
先に伸ばせるところを伸ばしてあげれば、子どもは自信がつきます。
生き生きしてきて、きらきら輝いてきて、その子の全体が上がります。
そうすれば、苦手なことにもよい影響が出るかも知れませんし、少なくとも目立たなくはなります。

忘れ物が多い子が全てにおいて何もかもダメ、などということは決してありません。
その子のもっているよい芽に注目して、伸ばせるところからどんどん伸ばしてあげることが大切です。

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