弱い相手への態度でその人の本性がわかる

そのときのお父さんのひと言

これは、ただ今子育て真っ最中のEさんというママさんから聞いたお話です。
Eさんが小学1年生のときのできごとです。

ある日、Eさんリビングで遊んでいたのですが、突然グシャッと何かを踏みつけてしまいました。

びっくりしてよく見ると、それはお父さんの眼鏡かサングラス(はっきりは覚えていないそうです)で、片方のレンズが割れていました。

「しまった。どうしよう」と思っているうちに、すぐにお父さんが近寄ってきました。
当然、彼女は「ああ、怒られる」と思いました。

ところが、お父さんは「大丈夫か? ごめん、ごめん、お父さんがこんな所に置いたから」と言いました。

そして、続けて「足、大丈夫?切れてない?どれ見せてごらん。だいじょうぶだね。ああ、よかった」と言いました。

人もうらやむ仲良し親子に

実は、Eさんのお父さんはそれまで5年間ほど単身赴任で海外に行っていて、一年に2,3回しか帰宅しないという生活が続いていました。

Eさんが小学校に入学した年に、その海外赴任も終わって、やっと一緒に生活できるようになったのです。

ですから、Eさんとしては、何となくお父さんに馴染めない気持ちを持っていました。
でも、このできごとをきっかけにお父さんのことが大好きになりました。

そして、人もうらやむ仲良しの親子になれたそうで、もちろん今もお父さんのことが大好きだそうです。

親は横柄な態度になりがち

とてもいい話ですね!

子どもに眼鏡を踏まれて割れてしまったという場合、親の多くは「何やってるんだ!気をつけなきゃダメだろ」などと言ってしまいがちだと思います。

たとえ自分の置いたところが悪かったとしても、横柄な態度になってしまいがちです。

怒りに飲み込まれてしまって、「足、大丈夫?」という言葉は出ないかも知れません。
たとえ言えたとしても、ひとしきり怒った後になるのではないでしょうか?

まず最初に「足、大丈夫?」という言葉が出たお父さん、本当に素敵です。

大人同士ならまったく違ってくる

でも、もしこれが職場などで大人相手だったら、まず「足、大丈夫?」が出る人が多いのではないかと思います。

次のような会話が想像されます。

自分「足、大丈夫?」
相手「大丈夫です。それより、すみません、眼鏡を壊してしまって」

自分「いや、いや、こっちこそ、ごめん。私がへんな所に置いたから。本当に足は大丈夫?」
相手「眼鏡、弁償させてください」

自分「いいよ、いいよ、こっちが悪いんだから。かえってごめん。心配しないで」

弱い相手への態度でその人の本性がわかる

大人相手と子ども相手で態度が違うのは、恥ずかしいことですね。
それは、弱い相手には強く出て強い相手にはへつらう、ということです。

子どもを一人の人間としてリスペクトしていれば、子どもにも横柄にならず人間的な対応ができるはずです。

子どもは大人の本性を映し出す鏡です。
自分でも気づいていない本性を映し出してくれます。

弱い相手への態度でその人の本性がわかるのです。