子どものやる気は親の言葉で決まる

これは、親子で料理をつくるイベントでのことです。ある親子がシチューをつくっていて、子どもが鍋をかき混ぜていました。

そのとき、お母さんが「もっとちゃんと混ぜなきゃダメだよ」と言いました。しばらくして、「もっとゆっくり混ぜなきゃこぼれちゃうでしょ」と言い、次に「下の方も混ぜなきゃ溶けないよ」と言いました。

その後も否定的な言葉が続き、子どもはだんだんやる気をなくしていきました。そして、とうとうお母さんが「やる気がないならやめなさい!」と叱りつけました。

そのお母さんは、自分の言葉によって子どもがやる気をなくしてしまったことには、まったく気づかないようでした。せっかく親子で触れ合える楽しいイベントに参加しても、これでは意味がありません。

その近くに別の親子がいて、同じように子どもが鍋をかき混ぜていました。ところが、お母さんの言葉がまったく違っていました。「上手、上手。その調子」「いい色になってきたね」「しっかり混ぜるとうまく溶けるよ」などの肯定的な言葉が多いのです。もちろん、子どもはにこにこしてやる気満々です。

この二人のお母さんの違いはまさに言葉の違いです。つまり、否定的な言葉と肯定的な言葉の違いなのです。誰でも否定的に言われるとカチンときて、やる気がなくなります。肯定的に言われれば、うれしくなってやる気が湧いてきます。

最初のお母さんがこのことを知っていれば、そして肯定的に言っていれば、子どもはもっと楽しくがんばれたはずです。「もっとちゃんと混ぜなきゃダメだよ」よりも「混ぜるの上手だね」の方がやる気が出ます。

「もっとゆっくり混ぜなきゃこぼれちゃうでしょ」よりも「ゆっくり混ぜるとこぼれないよ」や「上手、上手、こぼれないね」です。「下の方も混ぜなきゃ溶けないよ」よりも「下の方も混ぜるとうまく溶けるよ」です。

みなさんも、否定的な言葉が出そうになったら、肯定的な言葉に自己翻訳してから言うようにするといいですね。心がけていればだんだんできるようになります。

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