目指すべきイメージを肯定的かつ明確に伝えよう

少年サッカーの監督に聞いたのですが、シュートのとき「上に蹴るな」と言うと、かえってボールが上に行ってしまうことがあるそうです。ところが、「ゴロを蹴れ」と言うとうまくゴロが蹴れることが多いそうです。

少年野球の監督さんも同じようなことを言っていました。打席に入る子に「低めを狙うな」と言うと、低いボールが来たときにバットを振ってしまうことがあるそうです。ところが、「高めを狙え」と言うと、ちゃんと高めを狙って打つようになりヒットが増えるそうです。

うまくいかない二つの言葉、「上に蹴るな」「低めを狙うな」に共通しているのは、やってはいけないイメージを否定的に伝えているということです。

これだと、やってはいけないことはわかるのですが、どうすればいいのかがはっきり思い浮かんできません。それでも、「上」「低め」という言葉は意識に残っているので、とっさのときには身体がそちらに反応してしまうのです。

しかも、否定的に言われることで叱られているように感じてしまい、反発したくなったり不必要に緊張したりすることがあります。すると、何事もうまくいかなくなります。

反対に、「ゴロを蹴れ」「高めを狙え」は目指すべきイメージを肯定的かつ明確に伝えています。ですから、やるべきことがはっきり思い浮かんでくるのです。そして、「ゴロ、ゴロ」「高め、高め」と自分に言い聞かせながら、その一点に集中できます。しかも、否定的に言われていないので、反発したり不必要に緊張したりすることもありません。

これらのことを知っていると、いろいろな場面で応用できます。味噌汁を盛っている子には、「こぼさないでよ」ではなく「上手、上手」「ゆっくり、ゆっくり」と言ってあげましょう。

「早くしないと間に合わないよ」ではなく「7時に出るよ」です。「散らかしちゃダメでしょ」ではなく「さあ、きれいに片づけよう」です。「ぐずぐずしない」ではなく「3分でやっちゃおう」です。子どもたちを静かに歩かせたいときは、「どたどた歩いちゃダメ」ではなく「忍者歩きだよ」です。

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