勉強が苦手な場合、平均的に上げるより一点突破

勉強が苦手な子の場合、どの科目も平均的に上げようとすると、なかなか成果が出ません。私自身の経験で言えることですが、そういう子には何か一つ得意なものが持てるようにしてあげると成果が出やすく、それによってよい循環が始まります。

私は小学生の時、勉強が得意とはとても言えないような子どもでした。それで、小学校を卒業するとき「中学に入ったら英語だけがんばろう」と決意しました。

当時は小学生で英語を勉強している子はいなかったので、中学でみんなゼロからのスタートでした。勉強が得意でない自分でも、全エネルギーを英語だけに集中すれば、かなりいい線までいけるのではないかと考えたのです。

そして、英語の授業では先生の話を一言も聞き漏らさないという意気込みで臨みました。家では英語の教科書を何度も音読して丸暗記したり、習った単語をノートに書きまくって覚えたりしました。

その結果、1年生の3学期には英語の成績が10段階の10になりました。小学生時代には5段階の成績で5など一度も取ったことがなかったので、すごくうれしかったです。

私は数学と理科が苦手で、特に数学は何が何だか全くわかりませんでした。運動も音楽も苦手で、ユーモアセンスもゼロでした。他には何も取り柄のない状態でしたが、「英語なら負けない」と思えるようになって自信がつきました。私が中学の3年間をけっこう楽しく過ごせたのは、英語のおかげだったと思います。

私が教えたある女の子は、勉強は全て苦手で友だちも少なかったのですが、絵を画くことだけは好きでした。そのお母さんは、最初は「絵なんて…」という感じでしたが、私が懇談会で自分の体験を話したら大いに納得してくれて、それから絵のことを応援するようになりました。美術館に連れて行くとか、よい絵本や色数の多い色鉛筆を買うなどです。

すると、絵がどんどん上手になり、クラスの子がみんなほめてくれて、それで自信がつきました。積極性が出て友だちもでき、6年生の後半には立候補して児童会役員にもなりました。この子のように、勉強は全て苦手という場合は勉強以外のことでいいです。それこそ何でもいいので、とにかく1つ自信が持てるものができれば、よい循環が始まります。

前の記事 | 目次 | 次の記事