子どもの抱える苦しみ悩みを解決するには?
NGな対応とOKな対応
●子どもがショッキングなことを言ったとき
「もう学校なんか行きたくない。学校なんか行ったってしょうがない」
「私なんていない方がいいんだ。もう消えてしまいたい」
「自信がなくなっちゃった。ぼくなんか何をやってもダメだよ」
もし、お子さんがこのようなことを言ったらどうしますか?
親としてはショックですよね。
親自身がパニックになっておろおろしてしまうかも知れません。
それで、焦ってしまって次のようなことを言ってしまいがちです。
「急にどうしちゃったの?そんなこと言わないで」
「そんなことないってば。あなたはがんばれるよ。大丈夫よ」
「そんなこと言われるとお母さん悲しいよ。お母さんを困らせないで」
「何言ってるの?そんなこと言ってないでもっとがんばりなさい」
このようなことを、甲高い声でとがめるような口調で言ってしまいがちです。
●まずは共感を最優先に
このように言われると、子どもは叱られているように感じてしまいます。
そして、「お母さんは、ぜんぜん私の気持ちをわかってくれないな。私がどんなにつらくて苦しいかわかろうともしてくれない」と思ってしまいます。
そして、「やっぱり言うんじゃなかった。もう何も言わないようにしよう」と思って、口を閉ざすようになり、ストレスを自分の中に溜め込むようになります。
こういうNGな対応にならないために、まずは親が冷静になることが大切です。
そして、閑かな落ち着いた声で、しかも優しく温かい口調で次のように言ってください。
「そうなんだ……。すごくつらいんだね。よっぽどイヤなことがあったんだね。ママにお話聞かせて」
「それはつらいね。でも、よく言ってくれたね。ありがとう。何があったのか教えてくれる?」
このように共感的に言ってもらえると、子どもは話しやすくなります。
というのも、「お母さんは私のことをわかろうとしてくれている。お母さんなら私のつらい気持ちをわかってくれる」と思えるからです。
大切なのは、まず子どもへの共感を最優先して、その次にもう少し詳しく話してもらうという順番にすることです。
●言語化できない場合はもっと難しい
ところで、大人から見ると子どもたちの生活は気楽そうに見えますが、実は、そうではありません。
いじめられた、友だちとケンカした、先生に叱られた、親に叱られた、勉強などで自信をなくした、などなど、子どもたちにも日々いろいろな困難や悩みが生じます。
そのとき、冒頭のように言葉で親に伝えられる場合は、それがたとえショッキングな言葉であったとしても、症状的にはまだマシと言えます。
本当に難しいのは、子どもが言葉にできないまま悩み苦しんでいるときです。
それについては、次回書きたいと思います。