ご褒美で子どもを釣って勉強させる?与えてよいご褒美とダメなご褒美がある
●「自分から宿題をしたら百円あげる」というご褒美
子どもに宿題・勉強をやらせるために、ご褒美で釣ろうとする親がいます。
「自分から宿題をしたら百円あげる」などです。
こう言われれば子どもはすぐにやり始めるでしょう。
親としては、ガミガミ言わなくて済むし、百円なら安いものだという思いもあります。
それで、ついこういう手を使ってしまうのです。
●即効性のある方法には往々にして副作用がある
でも、こういう即効性のある方法には往々にして副作用があります。
「お金をくれないとやらない」となる可能性があるのです。
また、「もっとたくさんくれないとやらない」というように要求がエスカレートする可能性もあります。
宿題以外で、例えばお手伝いを頼んだとしても、子どもが「それをやったらいくらくれる?」などと言い出す可能性もあります。
こういう発想を親が教えてしまったのです。
●「いくらくれる?」が口癖の子
実際に私が教えた子でもこれが口癖になっている子がいました。
私が一番驚いたのは、運動会の、たしか綱引きか何かを観戦していたときだったと思います。
私が「さあ、赤組を応援しよう」と言ったら、その子は、「応援したらいくらくれる?」と言ったのです。
その子は、いろいろな場面で「いくらくれる?」が口癖になっていました。
後でわかったのですが、家庭で「○○をしたら○円」というようなやり方を日頃からしていたのです。
勉強でもお手伝いでもそれをやっていました。
●副作用のないご褒美ならOK
ところで、ご褒美の副作用を書いてきましたが、このような副作用を伴わないご褒美もあります。
概念的に言えば、「日頃から普通にやっている楽しいことを順番を変えて後回しにすることでご褒美化したもの」です。
例えば、次のようなものです。
宿題が終わったら撮っておいたアニメを見る
宿題が終わったらゲームをやる
宿題が終わったらおやつを食べる
宿題が終わったらマンガを読む
アニメを見る、ゲームをやる、おやつを食べる、マンガを読む、などは日頃から普通にやっている楽しいことです。
つまり、どうせやるものです。
それを、宿題・勉強の後に持ってくることでご褒美にするのです。
このようなご褒美なら副作用がありません。
●子どもが自分与えるご褒美もOK
もう一つは子どもが自分に与えるご褒美です。
自分が自分に与えるのですから、要求がエスカレートすることはありません。
ということで、ご褒美を使う場合は、副作用のないご褒美にするようにしてください。