子どもの短所は、実は長所である
とかく親というものは、子どもの短所ばかり数えてしまうものです。でも、長所と短所はつねに表裏一体ですから、短所に見えることが見方を変えれば長所でもあるのです。
例えば、宿題をやらないまま平気で遊べる子がいたとします。これは親にとっては短所に見えます。なぜなら、親にとっては不都合で不快なことだからです。でも、見方を変えれば楽天的で神経が図太いということでもあります。
実は私も子どもの頃こういう性格でした。今、教育評論家という仕事をしていて、こうう性格だから続けられている部分がかなりあると感じています。
今、私は複数の原稿の締め切りが迫っていても、講演のときはそれを忘れて楽しく臨むことができます。大きな仕事が重なって時間的に逼迫してきても、根底には「まあ、なんとかなるでしょ」という楽天的な気持ちが常にあります。
もし、私が”宿題をやってからでないと楽しく遊べない”というような性格だったら、この仕事は続けられなかったかも知れません。
このように、現時点で親には短所に見えることも、子どもが長い人生を生きていく上では長所であるかも知れないのです。
例えば、「うちの子はマイペースで困る」という人がいますが、それは他人のペースに左右されないということですから、将来も自分自身の人生をしっかり着実に生きていくことができるはずです。
やることが雑だとか、だらしがないなどというのは、細かいことは気にしない大らかな性格ということです。こういう人が大きな仕事を成し遂げるのです。
落ち着きがないというのは行動力があるということでもあります。将来、きっとエネルギッシュに活躍するはずです。また、飽きっぽいというのは好奇心が旺盛ということでもあります。将来、いろいろなことに積極的にチャレンジしていくはずです。
子どもの短所は、親であるあなたにそう見えるだけなのです。それは、今のあなたの都合や快・不快の反映に過ぎません。一度その見方を疑ってみてください。子ども本人の立場に立って、そしてもっと長いスパンで見てあげてください。